皆さん、こんにちは。今回は、SQL Server 2008 R2 Service Pack の MSFC ( Microsoft Failover Cluster) 環境への適用手順についてご紹介します。
SQL Server のフェールオーバー クラスタ環境への Service Pack 適用手順は下記の文書にて公開していますが、 2008 R2 の Service Pack 2 適用手順について画面イメージを含めた具体的な手順をご紹介します。
SQL Server 2008 フェールオーバー クラスタにローリング更新プログラムおよび Service Pack を適用する方法
http://support.microsoft.com/kb/958734/
※本手順の適用対象は、SQL Server 2008 R2 の Service Pack 1 および Service Pack 2 です。
※SQL Server 2008 から、Service Pack の適用方法が変更になりました。SQL Server 2005 以前は Service Pack の適用方法が異なりますのでご注意ください。
この例では、SQL Server 2008 R2 SP2 適用作業の開始時、MSFC の SQL Server リソースは下記の状態となっています。
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Active ノード : MACHINE_0011
Passive ノード : MACHINE_0010
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SP2 適用手順の概要は下記の通りです。
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1. 現在の Passive ノード (MACHINE_0010) への SP2 の適用
2. SP2 の適用が完了した ノード (MACHINE_0010) への、SQL Server リソースの移動
3. 新しく Passive ノードになった ノード (MACHINE_0011) への SP2 の適用
4. SP2 の適用が完了した ノード (MACHINE_0011) への、SQL Server リソースの 再移動
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詳細な手順を下記にご紹介します。
1. 現在の Passive ノード (MACHINE_0010) への SP2 の適用
(1) Passive ノード (MACHINE_0010) でフェールオーバー クラスター マネージャーを起動します。
![capt_1 capt_1]()
(2) [サービスとアプリケーション] – [SQL Server(MSSQLSERVER)] を選択します。現在の所有者がActive ノード (MACHINE_0011) になっていることを確認します。
![capt_2 capt_2]()
(3) Passive ノード (MACHINE_0010) でコマンドプロンプトを開き、下記のコマンドを実行してSQL Server のリソースの所有者が Active ノード (MACHINE_0011) になっていることを再確認します。
=====================
cluster.exe resource
=====================
![capt_3 capt_3]()
(4) フェールオーバー クラスター マネージャー に戻り、IPアドレスを右クリックして [プロパティ] を選択します。
![capt_4 capt_4]()
(5) [詳細なポリシー] タブを選択し、実行可能な所有者から、Passive ノード (MACHINE_0010) のチェックをはずし、「適用」をクリックします。
※この操作は、Service Pack 適用中のノードへフェールオーバーが行われ、セットアップが失敗する等の現象を避けるためにおこないます。
![capt_5 capt_5]()
(6) [OK] をクリックします。
![capt_6 capt_6]()
(7) Passive ノード (MACHINE_0010) で SQL Server 2008 R2 SP2 のファイルをダブルクリックして起動します。
![capt_7 capt_7]()
(8) [セキュリティの警告] ダイアログが表示される場合は、[実行] ボタンをクリックして実行します。
![capt_8 capt_8]()
(9) [ファイルの展開] ダイアログが表示されます。
![capt_9 capt_9]()
(10) [SQL Server 2008 R2 セットアップは現在の操作を処理しています。しばらくお待ちください。] ダイアログが表示されます。
![capt_10 capt_10]()
(11) [SQL Server 2008 R2 の更新プログラム] 画面が表示されます。ルールチェックが完了するまで、しばらく待ちます。
![capt_11 capt_11]()
(12) [操作が完了しました] というメッセージが表示されます。[詳細の表示] ボタンをクリックします。
![capt_12 capt_12]()
(13) 詳細画面が表示されます。エラーが表示されていないことを確認し、[次へ] をクリックします。
![capt_13 capt_13]()
(14) [ライセンス条項] 画面が表示されます。内容を確認し、[ライセンス条項に同意する] にチェックを入れ、[次へ] をクリックします。
![capt_14 capt_14]()
(15) [機能の選択] 画面が表示されます。[MSSQLSERVER] にチェックがついていることを確認し、[次へ] をクリックします。
![capt_15 capt_15]()
(16) [使用中のファイルの確認] 画面が表示されます。[次へ] をクリックします。
![capt_16 capt_16]()
(17) [更新準備完了] 画面が表示されます。[更新] をクリックします。
![capt_17 capt_17]()
(18) [更新の進行状況] 画面が表示されます。更新が完了するまでしばらく待ちます。
![capt_18 capt_18]()
(19) [完了] 画面が表示されます。エラーが表示されていないことを確認し、[閉じる] をクリックします。
![capt_19 capt_19]()
(20) SP2 の適用が完了したPassive ノード (MACHINE_0010) のサーバー再起動をおこないます。
2. SP2 の適用が完了した ノード (MACHINE_0010) への、SQL Server リソースの移動
(1) サーバーの再起動完了後、Passive Node (MACHINE_0010) でフェールオーバー クラスター マネージャーを起動します。
![capt_22 capt_22]()
(2) [サービスとアプリケーション] – [SQL Server(MSSQLSERVER)] を選択します。
![capt_23 capt_23]()
(3) IPアドレスを右クリックし、[プロパティ] を選択します。
![capt_24 capt_24]()
(4) [詳細なポリシー] タブを選択し、[実行可能な所有者] のPassive Node (MACHINE_0010) にチェックをつけ、[適用] をクリックします。
![capt_25 capt_25]()
(5) [OK] をクリックします。
![capt_26 capt_26]()
(6) [サービスとアプリケーション] – [ SQL Server(MSSQLSERVER)] を右クリックし、[このサービスまたはアプリケーションを別のノードに移動] – [1-ノード MACHINE_0010 に移動] を選択します。
![capt_27 capt_27]()
(7) [動作の確認] 画面が表示されます。[SQL Server (MSSQLSERVER) を MACHINE_0010 に移動する] を選択します。
※MACHINE_0010 へのグループの移動が完了するまで、SQL Server が停止している状態になりますので、ご注意ください。
![capt_28 capt_28]()
(8) MACHINE_0010 へグループの移動がおこなわれます。グループの移動が完了するまで、しばらく待ちます。
![capt_29 capt_29]()
(9) [状態] がすべてオンラインになり、グループの移動が完了しました。
![capt_30 capt_30]()
(10) 新しく Active ノードになったMACHINE_0010 で、SQL Server Management Studio を起動します。
![capt_1158 capt_1158]()
(11) データベースエンジンに接続します。
![capt_1159 capt_1159]()
(12) 「新しいクエリ」を選択します。
![capt_1160 capt_1160]()
(13) [クエリ] - [結果の出力] - [結果をテキストで表示] を選択します。
![capt_1161 capt_1161]()
(14) 下記のコマンドを実行します。
===================
select @@version
===================
![capt_1162 capt_1162]()
(15) SP2 が表示されることを確認します。
![capt_1163 capt_1163]()
(16) [接続] – [Analysis Services] を選択します。
![A-1 A-1]()
(17) “Microsoft 分析サーバー” のバージョンが、”10.50.4000.0'” になっていることを確認します。
![A-2 A-2]()
(18) フェールオーバー クラスター マネージャーを起動します。
![capt_1 capt_1]()
(19) IPアドレスを右クリックし、[プロパティ] を選択します。
![capt_31 capt_31]()
(20) [詳細なポリシー] タブを選択し、実行可能な所有者から、新しく Passive ノードになった MACHINE_0011 のチェックをはずし、[適用] をクリックします。
※この操作は、Service Pack 適用中のノードへフェールオーバーが行われ、セットアップが失敗する等の現象を避けるためにおこないます。
![capt_32 capt_32]()
(21) [OK] をクリックします。
![capt_33 capt_33]()
(22) 新しく Passive ノードになった MACHINE_0011 でコマンドプロンプトを開き、下記のコマンドを実行してSQL Server のリソースの所有者が MACHINE_0010 になっていることを再度確認します。
===================
cluster.exe resource
===================
![capt_34 capt_34]()
3. 新しく Passive ノードになった ノード (MACHINE_0011) への SP2 の適用
(1) Passive ノード (MACHINE_0011) で SQL Server 2008 R2 SP2 のファイルをダブルクリックして起動します。
![capt_35 capt_35]()
(2) [セキュリティの警告] ダイアログが表示される場合は、[実��] ボタンをクリックして実行します。
![capt_36 capt_36]()
(3) [ファイルの展開] ダイアログが表示されます。
![capt_37 capt_37]()
(4) [SQL Server 2008 R2 セットアップは現在の操作を処理しています。しばらくお待ちください。] ダイアログが表示されます。
![capt_38 capt_38]()
(5) [SQL Server 2008 R2 の更新プログラム] 画面が表示されます。ルールチェックが完了するまで、しばらく待ちます。
![capt_39 capt_39]()
(6) [操作が完了しました] というメッセージが表示されます。[詳細の表示] ボタンをクリックします。
![capt_40 capt_40]()
(7) 詳細画面が表示されます。エラーが表示されていないことを確認し、[次へ] をクリックします。
![capt_41 capt_41]()
(8) [ライセンス条項] 画面が表示されます。内容を確認し、[ライセンス条項に同意する] にチェックを入れ、[次へ] をクリックします。
![capt_42 capt_42]()
(9) [機能の選択] 画面が表示されます。[MSSQLSERVER] にチェックがついていることを確認し、[次へ] をクリックします。
![capt_43 capt_43]()
(10) [使用中のファイルの確認] 画面が表示されます。[次へ] をクリックします。
![capt_44 capt_44]()
(11) [更新準備完了] 画面が表示されます。[更新] をクリックします。
![capt_45 capt_45]()
(12) [更新の進行状況] 画面が表示されます。更新が完了するまでしばらく待ちます。
![capt_45-2 capt_45-2]()
(13) [完了] 画面が表示されます。エラーが表示されていないことを確認し、[閉じる] をクリックします。
![capt_46 capt_46]()
(14) SP2の適用が完了したPassive ノード (MACHINE_0011) のサーバー再起動をおこないます。
4. SP2 の適用が完了した ノード (MACHINE_0011) への、SQL Server リソースの 再移動
(1) サーバーの再起動完了後、Passive ノード (MACHINE_0011) でフェールオーバー クラスター マネージャーを起動します。
![capt_49 capt_49]()
(2) [サービスとアプリケーション] – [SQL Server(MSSQLSERVER)] を選択します。
![capt_49-2 capt_49-2]()
(3) IPアドレスを右クリックし、[プロパティ] を選択します。
![capt_50 capt_50]()
(4) [詳細なポリシー] タブを選択し、[実行可能な所有者] のPassive Node (MACHINE_0011) にチェックをつけ、[適用] をクリックします。
![capt_51 capt_51]()
(5) [OK] をクリックします。
![capt_52 capt_52]()
(6) [サービスとアプリケーション] – [ SQL Server(MSSQLSERVER)] を右クリックし、[このサービスまたはアプリケーションを別のノードに移動] – [1-ノード MACHINE_0011 に移動] を選択します。
![capt_53 capt_53]()
(7) [動作の確認] 画面が表示されます。[SQL Server (MSSQLSERVER) を MACHINE_0011 に移動する] を選択します。
※MACHINE_0011 へのグループの移動が完了するまで、SQL Server が停止している状態になりますので、ご注意ください。
![capt_54 capt_54]()
(8) MACHINE_0011 へグループの移動がおこなわれます。グループの移動が完了するまで、しばらく待ちます。
![capt_56 capt_56]()
(9) [状態] がすべてオンラインになり、グループの移動が完了しました。
![capt_56 capt_56]()
(10) 新しくActive ノードになった MACHINE_0011 でコマンドプロンプトを開き、下記のコマンドを実行してSQL Server のリソースの所有者が MACHINE_0011 になっていることを再度確認します。
===================
cluster.exe resource
===================
![capt_57 capt_57]()
(11) Active ノード (MACHINE_0011) で、SQL Server Management Studio を起動します。
![capt_58 capt_58]()
(12) データベースエンジンに接続します。
![capt_59 capt_59]()
(13) [新しいクエリ]を選択します。
![capt_60 capt_60]()
(14) [クエリ] - [結果の出力] - [結果をテキストで表示] を選択します。
![capt_61 capt_61]()
(15) 下記のコマンドを実行します。
==================
select @@version
==================
![capt_62 capt_62]()
(16) SP2 が表示されることを確認します。
![capt_63 capt_63]()
(17) [接続] – [Analysis Services] を選択します。
![A-1 A-1]()
(18) “Microsoft 分析サーバー” のバージョンが、”10.50.4000.0'” になっていることを確認します。
![A-2 A-2]()
以上で、SQL Server 2008 R2 の MSFC ( Microsoft Failover Cluster) 環境への SP2 適用は完了です。